ひきこもりとは

ここ最近特にニュースなどでも取り上げられている引きこもり問題。衝撃的な事件などもあり、大きな社会問題になっています。
厚生労働省によると、ひきこもりとは「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と定義しています。しかし、必ずしも自分の部屋にひとりで閉じこもっているということではなく、コンビニなどの外出もできるが家族以外の他人との交流がなければ「ひきこもり」と判断されます。また近年で問題になっているのは大人の引きこもりで、年々高齢化しつつあります。なので、一口に引きこもりといっても定義の幅は広いです。

ちなみに引きこもりとニートは意味合いが大きく異なります。
「ニート」とは「15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない人」を指します。

引きこもりになる理由とは

なぜ引きこもりになるのかは様々なケースがあります。そのなかでもよく言われている理由として8つのケースがあります。

人間関係によるストレス

不登校がきっかけで引きこもる

就職活動の失敗

受験の失敗

うつ病や精神疾患

インターネットやゲーム依存

家族問題

この中で特に「家族問題」は大きな影響を及ぼしているものだと考えられます。 内閣府では「引きこもりに関する実態調査」もおこなっており、どういった状況になっているのかを踏まえて説明していければと思います。

引きこもりになりやすい性格や傾向

性格や気質というものは人それぞれですし、必ずしもそうなるわけではないので一概に言えるものではありませんが、例として引きこもりになるタイプは次のような傾向があります。

1.集団でいることが苦手
2.内向的でネガティブ
3.失敗への不安や恐怖などへの耐性がない
4.コミュニケーションが苦手
5.あきらめグセがある

 

他にもありますが、大きく分けて5つの特徴があります。こういったタイプは自分のなかにストレスを溜め込んでしまい、環境に適応できずに引きこもりになることもあります。人によっては甘えだ、寝てばかりで何もしないでわがままだと考える人もいますが、適応障害やうつ病を引き起こしてしまっているケースもあるので安易に判断せずに専門家の方と相談するのがおすすめです。無理をして親やまわりが外へ引っ張り出そうとすると、抵抗して暴れることもあります。

内閣府などによる引きこもりについての調査

内閣府は2019年3月29日に「生活状況に関する調査」で中高年の引きこもり者の数を推定61.3万人と公表しました。
この調査の対象は40〜64歳までの5千人を対象とした調査です。
このうち、アンケート調査で「外出の頻度」の質問では、6ヶ月以上連続して、「自室からほとんど出ない」、「自室からは出るが、家からは出ない」、「近所のコンビニには出かける」、「趣味の用事のときだけ外出する」と回答した「広義のひきこもり群」では、自営業や身体的な病気、専業主婦の一部の状況の人等を除くと、47人。出現率は1.45%で、対象年齢の人口4235万人から推計すると、あわせて61.3万人という結果でした。

引きこもりは日本だけではない世界的な問題

恥ずかしながら「HIKIKOMORI」という言葉が、英国の有名な辞書である「オックスフォード英語辞典」でも、「日本での、社会的な接触を異常に避ける行為」と意味が紹介されています。
とはいえ、引きこもりは日本だけの問題ではありません。
引きこもりは「豊かさの産物」と批判されていますが、必ずしも先進国だけでなく途上国でも起きている問題として考えられています。

海外の場合ではフランスなどでは移民問題などのケースが大きく取り上げられています。お隣の韓国ではゲーム依存の問題が取り上げられています。
そんな中、海外からみた「引きこもり」は異質なものに見えているようです。日本の文化として「他社に迷惑をかけることが恥」という教育されていることで人に助けを求めようとしない傾向が強いと考えられています。

引きこもりになったときに自分の子供がなったとき、社会と対立する状況になった場合、海外の親は子供を守ろうとします。しかし、日本の文化では社会の側について隠すか非難する傾向が強いです。
なので子供の逃げ場が部屋に引きこもるしか方法がないという状況を作ってしまっているのも否定はできません。

年々増加する引きこもり件数

日本では80代の親が50代の子供を扶養する「8050問題」が深刻化しています。これは中高年の引きこもり問題のことを指しています。
内閣府の調査報告によれば、中高年で引きこもり期間が7年以上に渡る人は47%、30年以上という人は6%をしめています。

2015年12月に内閣府が実施した15歳から39歳までを対象とした同種の「若者の生活に関する調査報告」では、同群の推計数は54.1万人に対し、2019年に行われた「生活状況に関する調査」の推計61.3万人は、3年の差があることと同群の抽出条件もやや変えているため、正確性には疑問点がありますが、この年間で7.2万人の増加があったことになります。

引きこもりの男女差

男性が76.6%、女性が23.4%と4分の3以上を占めました。

今回の調査からは、セクシャルマイノリティの人を含む調査として「その他」を設けましたが、回答者はいませんでした。

調査結果から男性の方が何かしら引きこもりになりやすい傾向があることがわかってきます。

年齢別の引きこもり件数

5歳ごとにみて、40歳から44歳と、60歳から64歳の割合が最も高く、それぞれ25.5%でした。

45歳から49歳は12.8%、50から54歳は14.9%とやや小さいですが、年代ごとの極端な差はありませんでした。

初めてひきこもった年齢

14歳以下と30歳台の割合が低いが、全年齢層にわたっての回答がみられました。多い順に、60歳から64歳が17%、25歳から29歳が14.9%、40歳から44歳が12.8%との結果でした。

若いうちよりも60歳を過ぎてからの引きこもりが増えている傾向があります。

引きこもり期間の推移

3年から5年という回答が最も高く、21.3%でした。7年以上と回答した人が46.7%で、その中でも10%以上を占めているのが7〜10年、20〜25年、25〜30年でした。

非常に長い期間、引きこもりになっている傾向が強く、早期解決が必要ではないかと考えられます。

引きこもりにまっていることは

引きこもりが長期化していくとどんな末路が待っているでしょうか?
正直最悪の未来しか待っていません。

警察庁「平成30年中における自殺の状況」では30〜50代の自殺者が半数近くを占めています。また、さきほど述べた8050問題による親との共倒れ、老後の年金生活の中、50代の子供を養うことは大変です。
さらにニュースでも大きく取り上げられた川崎市殺傷事件などの事例もあり、引きこもり問題は、社会問題として取り組んでいかなければならないものへとなってきています。

ニートで働きたくても働けない状態に

引きこもりになる人は極度に自己評価が低く、自信がない人達が多いです。対人不安や不安・適応障害を患い、その上、旧世代のハラスメント行為で追い打ちを書けられたらひとたまりもないです。
ハラスメント行為で潰れてしまった場合、働くことへの恐怖や不安により転職活動へのモチベーションに弊害がでていることも多いです。うつ病や精神疾患により長期間働けなくなり、いざ復活できても今度は働けない期間がながければ長くなるほど求人に応募しても採用されにくく悪循環を強いられるケースも少なくありません。

生活や交友関係に大きな問題を抱える状態に

引きこもりになればやはり生活や交友関係に大きな問題を抱えることになります。大きく分けて3つの問題があるでしょう。ひとつづつ説明していきたいと思います。

1.育児問題

育児では子供につきっきりになるために引きこもりになりがちです。しかし、だからといって引きこもったままだと育児ストレスを抱えたりしてしまい、泣き止まないお子さんに手をあげてしまったり、疲れ切って育児放棄しまうケースもあります。それを繰り返していくうちにお子さんにも悪影響を及ぼし、お子さんも引きこもりになってしまうことも充分考えられます。
なるべくご家族や親戚、友人などの協力者と一緒に外へ出る機会を作るようにしましょう。子供は親の影響を受けやすいです。

2.パートナー問題

引きこもりで起こりうる問題としてパートナー問題もあります。
少子化問題にも関わりますが、引きこもりが増えていることで、結婚に対して後ろ向きな若者が増えています。
結婚を考えるということはそれなりに生活力がないと現実的ではありません。なので婚活する意識さえ生まれてきません。
かといって、パートナーがいる人が引きこもりにならないかというとそういうわけではありません。
同棲していて、彼氏が引きこもりになった事例や、育児で主婦が引きこもりになったケース、夫がリストラ後に引きこもりになってしまったというケースも少なくないです。

3.交友問題

引きこもりになると当然ながら交友関係がほとんどなくなります。交友関係がなくなるということは外へ出るきっかけがなくなるため、余計に引きこもりを助長させてしまいます。また、リアルな交友関係はなくてもSNSなどのネットでの交友がある場合もあります。それが社会復帰へつながればいいですが、逆にネット中毒などにより、外出しない理由を作ってしまうこともあるため要注意です。

病気やストレスを抱える状態に

引きこもりになる人は非常にストレス耐性がない場合が多いです。対人不安などにより、少しのトラブルでも常人よりもつらい気持ちになってしまいメンタル不調を起こすこともあります。うつ病になるケースも増えており、中には発達障害が原因でそうなるケースもあります。 病気などが関係している場合はなるべく早く専門家と相談することをおすすめします

生活保護や健康保険などの問題も

8050問題にも関わりますが、年金生活の親に50代の引きこもり者がいる場合は国民保険や厚生年金を親が払っていることがほとんどです。
ただでさえ苦しい状況下で子供の分まで支払わなければならない状況は非常に苦しく、親子で路頭に迷ってしまうこともあります。
親がなくなり年金収入がなくなると、生活不能になるのは目に見えています。そのときの生活保護による財政負担は政府にとっても大きな負担となっていくでしょう。

引きこもりを解決するためには

引きこもりを脱出できる唯一の方法があります。
引きこもりになるとまわりがいくら無理に引っ張り出そうとしても余計に引きこもってしまうことが多いです。
結果、どうにもならなくなってしまい、万策尽きてしまいます。
引きこもりの原因は複合的で複雑なケースが多いですが、その中でも親子問題が影響していることが多いです。なので親がなんとかしようとしてもうまくいかないのです。
ですから、外部の専門家にお願いして中立的に話ができる第三者の介入が必要です。
引きこもり者にとって親からの否定的な言葉を直接的に伝えられることは非常に苦です。引きこもり者本人が「変わりたい」「社会復帰したい」という意志を持てるようにするためにも公平な立場で関われる人がいたほうがいいです。

専門家の支援を受けましょう

さきほど述べたように引きこもり問題を抱えてしまった場合、家族内で解決するには難しいところがあります。
家族内だけで解決しようとすると親の価値観を押し付けて無理やり引っ張り出そうとしてしまったり、世間体を気にして子供の立場に立てずに精神的に攻撃的な関わり方になってしまいます。
ですから専門家の支援が必要になっていきます。
専門家は多くの引きこもり問題に関わってきたプロですので、ケースによってはすぐに解決できる場合もあります。また、精神科医やカウンセラーなどのメンタル面でのサポートができる人と連携している専門家もいます。
緊急な場合も対応できる専門家はいますので早い段階で相談したほうがおすすめです。

地域支援センターを活用しましょう

各都道府県では地域支援センターやサポートネットなどの窓口を活用してみてもいいです。東京都では今までは訪問相談については「義務教育終了後の15歳から概ね34歳まで」の方を対象としていましたが、2019年05月30日から新たに35歳以上の方の支援もはじまり、中高年の引きこもりの対応もできるようになってきました。5回まで無料で相談にのってもらえるためまずはこちらに相談してみるのもいいと思います。

NPO団体などに相談してみましょう

現在様々なNPO団体や当事者同士が集まる情報交換できる場があります。〇〇親の会、〇〇家族会、〇〇ママ会、〇〇連合会〇〇委員会、引きこもりを考える会などという形で、相談や情報交換をしています。こういった場所には同じ境遇の方が多く参加しているので、親同士で支え合うことができ、リアルな事例などの情報を教えてもらえることも多いので引きこもりという長期的な問題に取り組む親にとっては支えの場になります

講演会やフリースクールなども活用しましょう

引きこもり問題を解決するためにも情報を手に入れることは必要不可欠です。講演会やセミナーもあるのでそういった場所に足を運ぶのもいいと思います。専門家やカウンセラー、NPO団体などが様々な形で講演会をやっています。中には無料や少額で行っているところもありますので、負担にならずに参加することも可能です。

また、部屋からの引き出しから就職支援まで総合的に支援してくれるフリースクールもありますのでそういったところに直接相談しに行くこともおすすめします。

施設や団体、フリースクールでやっていること

引きこもり支援の施設や団体、フリースクールに関していろいろ誤解も多いですが、基本的には環境もよくサポートもしっかりした体制を作っています。
フリースクールはいくつかタイプがあります。

学校復帰支援タイプ

当事者の意思尊重タイプ

完全個別指導タイプ

非日常体験タイプ

専門家サポートタイプ

自宅訪問タイプ

共同生活タイプ

専門資格取得タイプ

ご家族でどのタイプがいいのかは話し合った上で引きこもりのフリースクールを選んでみてください。 非日常体験タイプではキャンプへいったり、海外留学などもありますし、専門資格取得タイプのフリースクールでは就職を視野に入れてサポートしているので、より社会復帰しやすいところまでサポートしてくれます。 また、いくつか複合的にサポートしているようなフリースクールも存在するので、そういった複合的なサポートが受けられる場所の方が様々なケースに対応が可能です。

実際にフリースクールに足を運んでみてください

フリースクールへいけば直接当事者の意見が聞けます。
フリースクールを卒業した人がそのまま社員やバイトに採用されている例も少なくないため、実際に引きこもりから復活した方の体験談を聞けます。
ネットで書かれている情報は非常に端的な情報ばかりが発信されていて、噂話ばかりが拡散されてリアルな情報を手に入れることが難しいです。
ですので、直接フリースクールへいって自分の目でどういった場所なのかを確かめるのが一番いいかと思います。

内閣府や厚生労働省による対策推進事業

現在内閣府のサイトでも引きこもりに関する案内をしています。厚生労働省のひきこもり対策推進事業による支援強化や、全国精神保健福祉センターへ相談するように案内しています。

対応ガイドラインについて

内閣府ではひきこもり支援者読本として「ひきこもり支援者のための実践的な知識や制度等の解説」や「ひきこもり新ガイドラインについて」「ひきこもりに関する実態調査報告」のPDFを配布しています。川崎市殺傷事件の影響も受け、政府としても引きこもりは社会的に取り組まなければならない大きな問題であることを認識して今後も様々な取り組みが増えていくことでしょう。

対策推進事業実施要領について

厚生労働省のサイトでは、従来から、精神保健福祉、児童福祉、ニート対策等において、ひきこもりを含む相談等の取組を行ってきましたが、平成21年度からは、これらの取組に加え、「ひきこもり対策推進事業」を創設し、ひきこもり対策の一層の充実に取り組んでいます。

また、平成30年度からは、生活困窮者自立支援制度との連携を強化し、訪問支援等の取組をふくめた手厚い支援を充実させるとともに、ひきこもり地域支援センターのバックアップ機能等の強化を図っています。(厚生労働省HPより)

自治体によるひきこもり状態にある方の実態等に係る調査結果なども掲載していますのでより細かな情報がほしい方はそちらも合わせて読んでみるといいかと思います。

何から相談していいかわからない方へ

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